効果を最大化!アナボリックステロイド使用中の食事ルール

アナボリックステロイドの筋トレ・食事法

アナボリックステロイドは、限りなく筋肉がつきやすい状態をつくる薬剤です。体内における男性ホルモンの濃度が高まることで、通常の数倍の筋肥大を可能にします。

ただ、「アナボリックステロイドを使えば、筋肉が飛躍的につきやすくなる」とはいっても、十分な栄養がなければ効果は期待できません。

そこで、この記事では、アナボリックステロイド服用中の食事・栄養について徹底的に解説していきます。

タンパク質をしっかりとろう

タンパク質が十分にとらなければ、いくらアナボリックステロイドを摂取していても、筋肉はつきません。

身体が筋肉を合成するときの材料は「タンパク質」です。いくら腕利きの大工がいても、材木がなければ仕事ができないように、タンパク質が供給されていなければ、十分な筋肥大はできません。

では、どのくらいとるべきなのか?

体重1kgあたり1.8g-2.0gとれば十分だが…

レジスタンストレーニング中に必要なタンパク質の量については、様々な研究があり、結論もバラバラです。

そんな時は、メタアナリシスという方法が役立ちます。メタアナリシスとは、関連する論文の成果を統合して結論を導き出す研究手法です。複数の研究成果が統合されるので、科学的に信頼性の高い結論が出ます。

Phillips SM1, Van Loon LJ.による研究では、「ハードなトレーニングをするアスリートの場合、体重1kgあたり1.8-2.0gでタンパク質の合成が最大化される」と結論づけています。出展1

もし、普通のトレーニングをするなら、体重×2.0gあれば十分です。

アナボリックステロイド中はもう少し必要かもしれない

通常の状態なら、2.0gあれば十分筋肥大を最大化出来ます。しかし、アナボリックステロイド服用中は、タンパク質合成能力が通常時の数倍になります。筋肉の合成が活発になっているので、通常時よりも多いタンパク質が必要でしょう。

メタアナリシスでは、1.8gで十分という結論ですが、別の研究(出展2)では、体重×2〜3gのハイプロテイングループの方が筋肥大・筋力の面において優れていたという結論が出ています。

アナボリックステロイド中は、筋肥大の効率が抜群に高まるので、やはり体重×3gは必要といえるでしょう。

タンパク質のとりすぎに害はない

一部の人は「タンパク質をとりすぎても平気なの?」と不安になるかもしれません。タンパク質のとりすぎが害になるのは、腎臓に疾患を抱えている場合だけであって、健康な人には問題ありません。

アメリカの厚労省(FDA)は、最近、タンパク質の摂取量の限度目安を撤廃しました。健康な人においてタンパク質のとりすぎが害となる根拠が見つからないというのが理由です。

これを受けて、日本の厚労省でも、摂取上限目安が撤廃されています。「とりすぎると腎臓が…」というのは過去の常識です。アナボリックステロイドの効果を最大化するために、体重×3gのプロテインをとりましょう。

炭水化物も忘れるな

効率よくバルクアップするには、炭水化物は欠かません。「タンパク質をとろう」とは意識しますが、炭水化物が置いてけぼりの人がいます。

炭水化物を摂取すると、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、筋肉に栄養素を運ぶホルモンで、筋肥大のためには欠かせないホルモンです。

インスリンが糖を筋肉に運び込むことで、体内のタンパク質合成が高まります。海外のトップビルダーは、アナボリックステロイドだけでなく、インスリンも注射して、あの異様な筋肉を手に入れています。

筋肉の同化作用は、テストステロン(男性ホルモン)よりも、インスリンの方が強力です。だから、炭水化物を摂取して、インスリンを分泌させましょう。

体重×4gの炭水化物は摂取したいところです。

脂質もしっかり摂取しよう

脂質は、ホルモンの生成には欠かせない栄養素です。様々な研究により、脂質からのエネルギー摂取が総エネルギーの30%を切ると、体内のテストステロンの分泌量が大きく低下することがわかっています。

ただ、ステロイドサイクル中は、薬剤により、外部から大量のホルモンがそそがれるため、ホルモンの低下を心配する必要はないでしょう。

コレステロールが大事

ただ、脂質の多い食事をする時に摂取できるコレステロールは、筋肥大には必須です。コレステロールは、細胞膜を形成する時の材料になるため、コレステロールが不足していると、新しい筋細胞をつくりだせなくなってしまいます。

良質なコレステロールの摂取源としては、鶏卵があります。ステロイドサイクル中は、脂肪がつきにくいので、積極的に鶏卵を摂取していきたいところです。一日5個が目安です。

コレステロール値と筋力・筋肥大の関連性を調べた研究によれば、低コレステロール群は、トレーニング前に比べて41%の増加だったのに対し、高コレステロール群は88%の増加でした。(出展3いかにコレステロールが大事か、おわかりいただけると思います。

ミールプラン

ここで、アナボリックステロイド中の食事プランの一例を示します。体重は70kg程度を想定しています。あくまで一例であり、自分の体重や好きな食材にあわせてカスタマイズしましょう。野菜は適当にとってください。

朝食

  • 玄米 茶碗二杯(240g程度)
  • 卵…5個
  • 起きたらすぐにホエイプロテイン20g

中間食

  • ホエイプロテイン20g
  • バナナ1本

昼食

  • 鶏ムネ肉(皮付き)250g
  • 玄米ごはん 茶碗2杯 240g程度

中間食

  • ホエイプロテイン 20g
  • バナナ1本

トレーニング前

  • ホエイプロテイン 30g
  • バナナ 1本

トレーニング中

  • CCDドリンクでカーボ60g

トレーニング後

  • ホエイプロテイン 30g

夕食

  • 玄米 茶碗2杯 240g
  • 青魚 200g〜250g

就寝前

  • ホエイプロテイン 30g

かなりのタンパク質をとることになるので、人によってはオナラが気になるかもしれません。上記の量でも平気な場合は、中間食のプロテイン量を20gから30gにあげてください。

出展1 Dietary protein for athletes: from requirements to optimum adaptation.

出展2 Dietary protein to maximize resistance training: a review and examination of protein spread and change theories

出展3 Statins and dietary and serum cholesterol are associated
with increased lean mass following resistance training.