デカデュラボリンの筋肉への効果は?副作用は?使い方は?

アナボリックステロイドの種類

デカデュラボリンは、ステロイドホルモンであるナンドロンを含むアナボリックステロイドです。

臨床的な研究により、筋肉の成長、食欲の刺激、骨密度の回復、赤血球の生成に効果があることがわかっています。そのため、骨粗しょう症や貧血、老人の筋肉減少への治療薬として処方されています。

デカデュラボリンは、副作用の少ないステロイド

デカデュラボリンの成分であるナンドロンは、構造上、DHT(ジヒドロテストステロン)という悪玉ホルモンに還元されないため、前立腺肥大や男性型脱毛症などの副作用の心配がありません。

また、ナンドロンは、アロマターゼという、男性ホルモンを女性ホルモンに還元する酵素の影響を受けにくい性質があります。したがって、アナボリックステロイドの副作用である女性化乳房を引き起こしません。

また、肝毒性を引き起こす原因である、17αアルキレート加工(肝臓でなかなかろ過されない化学的加工)がされていないので、肝臓への毒性もありません。

ステロイドの中では、かなり副作用が少なく使える部類に入ります。

では、そんなデカデュラボリンにどれだけの効果があるのか?どんな副作用があるのか?を実際に人体にデカデュラボリン(ナンドロン)を投与した研究で見ていきましょう。

デカデュラボリンの筋肉への効果は?

ボディービルダーにデカデュラボリンを投与した研究

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まず、ボディービルダーに8週間にわたってデカデュラボリンの成分であるナンドロンを投与した研究をご紹介します。(出展1

この研究では、16人のボディービルダーをプラセボ群(偽物の薬を投与する群)と、ナンドロン200mg投与群にわけ、トレーニングを行わせ、8週間後の成果を比較しました。

結果はどうだったか?除脂肪体重(脂肪をのぞいた体重量。筋肉がどれだけ増えたかの目安になる)は、ナンドロン群では、2.6kgの増加、プラセボ群では、0.8kg増加していました。なお、脂肪量については、あまり変化がありませんでした。

ボディービルダーは筋肉が十分に発達しているので、筋肉を増やすのは並大抵のことではありません。だから、プラセボ群では、8週間で0.8kgの増加にとどまっているのです。

しかし、ナンドロン群では、2.6kgほど増加しています。このことから、ナンドロン200mgを投与してのトレーニングは、通常のトレーニングの3倍以上の効果があるといえるでしょう。

腎臓病の患者に6ヶ月デカデュラボリンを投与した研究

加えて、腎臓病の患者に6ヶ月間デカデュラボリンを投与した研究もご紹介します。この研究では、29人の腎臓病の患者を、ナンドロン100mg投与群と、プラセボ群でわけて6ヶ月間にわたり、投与して、簡単なトレーニングを行わせ、その影響を調べました。(出展2

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デカデュラボリンの主成分であるナンドロン投与グループは、筋肉量が4.5kg増加しました。一方で、プラセボ群は1.9kgの増加にとどまりました。

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ナンドロン投与では、脂肪が2.4kg減少、一方で、プラセボ群では0.4kgの減少にとどまりました。

これらの研究から、デカデュラボリンを服用してのトレーニングは、通常のトレーニングの2〜3倍の効果があるといえるでしょう。

デカデュラボリンの副作用

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6ヶ月連続で使用しても深刻な副作用はなかった

既に紹介した腎臓病の患者を対象にした研究でも、6ヶ月の長期間投与にもかかわらず、深刻な副作用は一例もありませんでした。ボディビルの現場でも言われているように、デカデュラボリンは非常に副作用の少ないステロイドといえるでしょう。

ただ、小さな副作用はちらほら報告されています。

この研究では、一名が注射した箇所の脹れ・痛みを報告、2名の女性がニキビを発症、2名の男性が肌のかゆみを発症しています。

また、1名が睾丸のサイズが小さくなりました。(なお、ナンドロンの量を減らしたところ、回復しました)

6ヶ月の連続投与にもかかわらず、深刻な副作用がひとつもなく実験を完遂できていることからも、デカデュラボリンは安全性の高いステロイドだといえるでしょう。

このように、デカデュラボリンは副作用が少ないステロイドです。とはいっても、油断はできません。本来、身体にないホルモンを外部から入れれば、必ず副作用が起きるからです。ただ「アナボリックステロイドの中では副作用が少ない」とうだけで、副作用はあります。

ただし、男性ホルモンの生成減少は必ず起こる

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ただし、ステロイドである以上、確実に起こる副作用があります。それは「身体が生成する男性ホルモン(テストステロン)の減少」です。上のグラフは、先ほど紹介した腎臓病の患者に6ヶ月間、デカデュラボリンを投与した研究のものです。

プラセボ群は、テストステロン(男性ホルモン)の値がほぼ変化していませんが、ナンドロン群では、最初の半分近くまでテストステロン値が低下してしまっています。

なぜこんなことが起こるのか?ステロイド投与により、ナンドロンのような男性ホルモンが急激に増えると、身体は「なんだ、もう十分にホルモンがあるじゃないか。なら、新しくつくる必要はないな」と判断して、男性ホルモンの生成を減少させてしまうからです。

これはステロイドホルモンを外部から投与する以上、必ず起こる副作用です。副作用の少ないデカデュラボリンも例外ではありません。

もちろん、ステロイドホルモンの濃度が少なくなるにつれ、テストステロンの生成は回復し始めます。ただ、それには少し時間がかかります。低テストステロン状態が続くと、筋肉の維持が難しくなり、せっかく手に入れた筋肉もなくなってしまいます。

そこで、早急にテストステロンを回復させるため、クロミッドという排卵誘発剤を使い、睾丸機能を回復させるのが一般的です。

勃起不全

上記の研究ではありませんが、副作用として、勃起不全も報告されています。ナンドロンの代謝物である、ジヒドナンドロンには性欲減退作用や、勃起力低下の作用があるためです。

この副作用は、ナンドロンの投与をやめれば、収まります。

デカデュラボリンの使用方法

使用量は週300mg〜400mg

今まで見てきたように、200mgの投与でも、通常のトレーニングの数倍の成果が得られます。ただ、ボディービル目的で使用する場合、300mg〜400mgを毎週、筋肉注射するのが一般的です。

デカデュラボリンは効果的なステロイドですが、体内で吸収される速度が遅いため、吸収の早い経口ステロイド(ダイアナボル)と共にスタックすると、より良い結果を得られるでしょう。

使用期間は12週間

実験によっては、上で紹介したように、数ヶ月投与を続けている研究もありますが、ボディービル目的で使う場合、投与量も多いので、12週間を目安に使用しましょう。既に述べたように、ナンドロンは睾丸の機能を低下させるので、あまりに長期間の使用はNGです。

長くても、16週間までの利用にとどめましょう。