これで万全!アナボリックステロイドの安全な使用方法

アナボリックステロイドの使用方法

アナボリックステロイドは、圧倒的な効果がある反面、強い副作用があることで知られています。

しかし、アナボリックステロイドのほとんどは、医薬品としても使われているものです。だから、適切に使えば、健康に支障なく服用することもできるのです。

では、どんな点に気をつければ、アナボリックステロイドを安全に使う事ができるのでしょうか?大事な5つのポイントを解説いたします。

1.適切な量・期間を守る

ステロイドを使うと確実に起こる副作用

アナボリックステロイド服用中は、睾丸の男性ホルモン生成能力が低下します。

ステロイドを使うと、体内に大量の男性ホルモンがあふれるため、身体は「これ以上ホルモンをつくる必要がないな」とホルモンの生成を止めてしまうのです。結果、アナボリックステロイドのサイクル中は、睾丸の機能が低下することになります。

人間の身体には「廃用性萎縮」という機能があり、使わない機能はどんどんと退化していきます。アナボリックステロイドによって、睾丸の機能が低下した状態があまりに長期間続くと、睾丸の機能が元に戻らなくなってしまう可能性があります。

そのため、あまりに長期間使うのは厳禁です。では、どのくらい続けてもいいのか?

何週間までなら使って良いのか?

  • 経口剤…できれば8週間まで〜最大でも12週間
  • 注射剤…できれば12週間〜最大でも16週間

経口ステロイドの場合

経口剤は、肝臓へのダメージがあるため、3ヶ月以上の使用はオススメしません。人によっては「4週間まで」という人もいますが、もう少し長くても良いでしょう

たとえば、医者のコントロールの下、老人を対象に12週間、ボディービル目的と変わらない量を投与した研究(出展1)や、血液透析の患者を対象に24週間、(出展2)HIVの患者に30週間投与した研究(出展3)もあります。(どちらもボディビル目的と同量以上の量)

これらの研究では、参加者全員が、大きな副作用もなく、実験を完遂できました。よって、12週間程度までなら安全に利用することができるでしょう。

注射ステロイドの場合

注射剤では、健康な男性に20週間投与した研究があります。(出展4)ただ、通常、何度もサイクルを行うので、長期間の投与が連続するのは好ましくありません。そこで、やや余裕を持って、16週間とします。

適切な量は、使うステロイドによって異なりますので、各ステロイドの記事をご覧ください。

2.女性化作用に備える

女性化乳房が起こる仕組み

アナボリックステロイドで警戒するべき副作用に「女性化」があります。男性にもかかわらず、乳房が女性のように膨らんでしまうのです。

アナボリックステロイド中は、大量のテストステロンがアロマターゼという酵素により還元され、大量のエストロゲンが体内にあふれます。大量のエストロゲンが、乳房にあるレセプターと結びつき、女性化してしまうのです。

ただ、この副作用は必ず起こるものではありません。健康な男性61人を対象にテストステロンを20週間投与した研究(出展4)では、誰も女性化作用を発症しませんでした。

女性化乳房を防ぐ方法

おそらく、女性化乳房は、長期間、強力なステロイドサイクルを続けた場合にあらわれる副作用なのでしょう。

ただし、レセプターの感受性は人によって異なります。人によって、エストロゲンの影響を受けやすい人、受けにくい人がいます。自身がどちらかかはわかりません。

「もしも」に備えるため、ノルバデックスとうい抗エストロゲン剤を用意しましょう。

ノルバデックスは、エストロゲンのレセプターに優先的に結びつき、エストロゲンの働きを邪魔する薬です。これを摂取することで、女性化作用を防ぐことができます

3.男性ホルモンの分泌低下に備える

既に述べたように、ステロイドサイクル中は、睾丸のホルモン生成能力が低下します。数ヶ月続ければ、睾丸のホルモン生成能力は、通常時の40%ほどまで減少してしまいます。(出展5

ステロイドホルモンの量がなくなれば、それにあわせて睾丸のホルモン生成能力も自然に回復します。(出展6

クロミッドで低下した男性ホルモンを回復させる

ただ、回復には少し時間がかかります。低テストステロンの状態では、筋肉の維持が難しい。そこで、クロミッドという薬剤を使い、早急にテストステロンの分泌を回復させる必要があります。

クロミッドは、女性用の排卵誘発剤です。男性は卵巣がないので、精巣に働きかけ、睾丸の働きを回復させることができます。ステロイドサイクル後、4週間続ければ、ホルモンの生成能力は、ステロイドサイクル前と同レベルに回復します。

4.肝臓保護のサプリメントを用意する

経口のアナボリックステロイドの多くは、肝臓に負担をかけます。経口のアナボリックステロイドは、17αアルキレート加工という肝臓になかなかろ過されないための加工がされているため、肝臓に負担をかけてしまうのです。

肝臓への負担はあまり大きくない

とはいっても、医者のコントロール下で行われた研究で、老人が12週間続けても、「実験続行可」と判断される程度の悪化しません。(出展1)

また、3ヶ月間服用をやめたステロイドユーザーのボディービルダーの肝臓の数値は、健康な男性と変わらない数値でした。(出展7肝臓には自己再生能力があるので、多少のダメージを受けても、回復するのです。

肝臓を保護するにはシリマリン

ただ、肝臓へダメージがあるのは事実です。そのため、肝臓保護のサプリメントをとって、サイクル中は、肝臓をいたわりましょう。

肝臓保護のサプリメントとしては、シリマリンが有効です。シリマリンは、肝臓のDNAの複写を助け、肝臓の自己再生能力を向上させます。肝炎の患者などへ投与した研究でも、一定の成果をあげています。経口剤を使う人は、必ず飲みたいサプリメントです。

5.適切なオフをとる

男性ホルモンの一時的な低下は避けられない

何度も繰り返し述べていますが、ステロイドを摂取すると、睾丸によるホルモンの生成が大きく減少します。これは、どんなステロイドでも確実に起こる副作用です。副作用が少ないと言われるデカデュラボリンというステロイドでも、通常時の40%まで低下します。(出展5)

オフ期間でホルモン生成能力を回復させよう

低下した睾丸の機能を回復させるために、適切なオフ期間(ステロイドを抜く期間)を設けましょう。

クロミッドを使えば、約4週間でテストステロンの生成は回復させられますが、あくまで薬剤で強制的に回復させているだけ。睾丸のテストステロン分泌能力を回復させるには、もう少し時間が必要です。では、どのくらいオフをとるべきか?

慎重にいく場合は、ステロイドの摂取期間と同期間のオフをとります。

もう少しアグレッシブにいく場合は、ステロイド摂取期間-1ヶ月のオフをとります(例3ヶ月の服用なら、2ヶ月のオフ期間)

最低でも、ステロイド摂取期間-1ヶ月のオフは必要です。適切なオフをとり、睾丸の機能を回復させましょう。

アナボリックステロイドは「危険」ではない

アナボリックステロイドのほとんどは、医薬品です。現在も、低テストステロン患者や、体重減に悩むHIVや血液透析の患者や、貧血・骨粗しょう症で悩む患者に処方されています。(使われている量も、ボディービル目的で使われるのと遜色ない量が使われます)

巷で言われているように、「危険」なものなら、HIVや血液透析の患者に長期間投与できるはずもありません。医薬品として認可もされないでしょう。

一部の知識のないサイトが「肝毒性があり、危険」と紹介しているステロイド、オキシメトロンでも、HIV患者の女性が3年連続で使っている事例もあります。

適切に使えば、アナボリックステロイドは怖くありません。

8年間使用すると…

アナボリックステロイドを平均8年間以上使った15人のボディービルダーが、1年間服用をやめた後の健康状況を調査した研究があります。出展8)8年間以上使ったボディービルダーはどうなったのか?

彼らの健康状況は、正常値の範囲内で、健康な男性と変わらないレベルだったのです。

この研究で対象となったボディビルダーは、テストステロン平均800mg以上を8年以上にわたり投与していた、いわゆる「超ヘビーユーザー」です。にもかかわらず、1年間服用をやめれば、健康な男性と変わらない数値が出るのですね。

この例をとってみても、いかにアナボリックステロイドの危険性が誇張されているのかがわかると思います。