サスタノンの筋肉増強の効果は?副作用は?使用方法は?

アナボリックステロイドの種類

サスタノンは、元々、低テストステロン(男性ホルモンが正常に分泌されない病気)で悩む患者のために開発された薬です。

テストステロンが低いと、男性の性機能や、精神に影響が出てしまいます。そこで、サスタノンでテストステロンを補充し、健康な生活を送れるようにするのです。これをテストステロン補充療法とよびます。

サスタノンはどんな筋肉増強剤なのか?

サスタノンの主成分は、以下の4つです。

  • Testosterone Propionate30mg
  • Testosterone Phenylpropionate60mg
  • Testosterone Isocaproate60mg
  • Testosterone Decanoate100mg

一部のサイトが「4種類のテストステロンを配合している」と紹介していますが、それは誤りです。全て単なる「テストステロン」です。

名称が異なるのは、テストステロンを溶かしている溶剤(エステル)の名前が違うからです。 Propionateというエステルに溶かしているものは「Testosterone Propionate」と呼び、Phenylpropionateに溶かしているものは「Testosterone Phenylpropionate」と呼ぶというだけで、中身は全て人口のテストステロンです。

この4つの溶剤は、それぞれ体内に留まる期間や吸収の速度が違います。すぐに吸収されるエステルと、長く体内に留まるエステルがサスタノンには配合されています。

滞留期間が異なるテストステロンを含んでいるので、一度の注射で長期間体内のテストステロン濃度を高く保つことができます。

一般的なテストステロン(テストステロンエナンセート等)は体内の滞留期間が短く、頻繁に注射しなければなりません。サスタノンは、上記の工夫により、注射の頻度を少なくすることができ、患者の負担が少ないという利点があります。

サスタノンの効果は?

低テストステロンの患者54人に、1年間、ナンドロンデカノエイト200mg(デカデュラボリンの主成分)サスタノン200mg、プラセボ群の3つに分けて、その効果を検証しました(出展1)。

結果はどうだったか?黒がサスタノン、白がナンドロン、斜線がプラセボです。

最終的に、サスタノンのグループは3.8%の筋肉量の増加、ナンドロングループは、5.8%の増加、 プラセボ群は0.9%の減少という数字になりました。

脂肪は、サスタノングループが10%の減少、ナンドロングループは、15%の減少に成功しています。一方で、プラセボ群は、体脂肪が増加しています。

この研究を見る限り、アナボリックステロイドとしての効果は、ナンドロン(デカデュラボリンの主成分)の方が高いようです。

ただ、通常、テストステロン剤を使う時は、500mg〜750mg使うのが一般的です。この実験では、少し量が少なかったのかもしれません。ただ、残念ながら、サスタノンを500mg以上使った研究はありません。参考までに、同じ人口のテストステロンを健康な男性に使用した研究を、以下の記事でご覧いただけます。

リンク:

サスタノンの副作用は?

サスタノンのサイクル中に注意するべき副作用について解説いたします。

  • 自然に生成されるテストステロン分泌量の低下
  • コレステロール値の悪化
  • 女性化乳房
  • 前立腺肥大
  • 男性型脱毛症の促進
  • ニキビ
  • 血圧の上昇

主にこれらの副作用を起こす可能性があります。これらの副作用への対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。

サスタノンの使用方法・サイクル

使用量

テストステロン剤は、多ければ多いほど、高い効果を発揮します。健康な男性を対象に20週間テストステロンを投与したした研究では、50mgの投与で1.1kg、125mgで2.9kg、300mgで5.5kg、600mgで8.9kgの筋肉量が増加しました。

十分な効果を得たいなら、600mg以上は必要でしょう。

使用期間

12週間〜16週間を目安に使用してください。医学的研究では、20週間以上使用している研究もありますが、それはあくまで医者のコントロール下だからです。

個人で使う場合は、16週間までを目安に使いましょう。あまり長期間にわたって使うと、睾丸の機能が低下してしまうおそれがあるので、できれば12週間まででとどめておくべきです。